Catch Chestnut
開発目的
瞬時の状況判断とそれに応じた咄嗟の行動力を鍛えるシステムの開発
システム概要
このシステムは簡単なゲームになっている。
figure1に示す2枚の画像のうち1枚がランダムでディスプレイに表示される。
表示された画像に応じて、以下の動作を制限時間以内に行う。
「くり」 → 指定秒数以内に 手をグーにする
「いが」 → 一定秒数の間 指を動かさない
時間内に正しいアクションができれば成功
それ以外は全て失敗となる
システム説明
1.動作原理
このシステムを構築するにあたり重要となるのは
「手を握る」動作
「何もしない」状態
この2つをどのように検出するかという点である。
これらを検出するために「浅指屈筋」の筋電位を測定することにする。
a . 浅指屈筋
浅指屈筋をfigure2に示す。
浅指屈筋の収縮は手関節の掌屈に作用、つまり手を握る動作が発生する。
b . 筋電位
また、筋電位とはその名の通り筋肉の電位であり、安静時は値がとても小さく、筋収縮が起こると大きな値になる。
つまり、この波形を見ることで、対象としている筋が収縮活動を行なっているか確認できる。
以上より、浅指屈筋の筋電位を見ることで手を「手を握る動作」「何もしない状態」を検出できる。
2.ゲーム性の実装
このシステムをゲームとして成り立たせるために
A . 「くり」が表示された時の動作制限時間
B . 「いが」が表示された時の動作制限時間
をほどよい長さで設定する必要がある。
A . 「くり」が表示された時の動作制限時間
については短ければ短いほど難易度が上がってしまう。
Aのケースでのミスは「くり」の見逃しである。
ユーザの動作選択肢は「手を開いたまま」か「握る」かの二択であり、動作制限時間がな短いほど見逃しの可能性は高くなる。
設定制限時間の長さを変えて複数回試行したところ、0.5秒に設定がちょうど良いことが分かった。
0.5秒より長いと難易度が下がり
0.5秒より短いと手を握る動作が間に合わず、極端に難しくなる。
B . 「いが」が表示された時の動作制限時間
こちらは極端に短いとミス(手を握ってしまう)を検出できない。
また、極端に長いと、正しい対応(握ってはいけない時に握らない)の判定に時間がかかり過ぎてしまい、ユーザビリティが低下する。
こちらについても長すぎず、短すぎずの調整が必要であり、3秒がちょうど良いと言う結論に至った。
3.実際のプレイの様子
「栗」が表示されたら0.5秒以内に手を握らないといけないゲームを作りました pic.twitter.com/G2iqNzu4up
— トモヒロシンポ🍅 (@tsh982) 2020年1月16日
実際にできたものをプレイしてみるとめちゃくちゃ難しい...
これを毎日やれば、コップが机から落ちた時には瞬時に手が伸びて、ハサミが落ちた時には見逃すことができるようになりそうだ。
※1 figure2 : http://therapistcircle.jp/senshikukkin より